フライホイール式UPS(バッテリー不要)

フライホイール式UPS
(バッテリー不要)

フライホイール式UPS
(バッテリー不要)

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フライホイール式UPS(Flywheel Uninterruptible Power Supply:無停電電源装置)とは商用電源の停電時や瞬時電圧低下時に所定時間の電力を供給することを可能とする装置です。
鉛蓄電池やリチウムイオン電池などの二次電池を使用しておらず、フライホイールと呼ばれる電気エネルギーを運動エネルギーに変換し貯蔵するシステムが使用されています。
停電や電圧低下の影響が大きいデータセンター、生産設備、半導体工場などで多く導入されており、様々な分野への電力の供給と保護の信頼性、可用性を高めています。
また、非常用発電機と組み合わせることでより長時間の電源の供給を可能とします。

フライホイールを選択する理由

UPSのエネルギー貯蔵方法に様々な選択肢がある状況では、多面性が一つのカギとなります。各アプリケーションにはそれぞれ独自の補償時間の要求があり、それに合わせたソリューションが必要となります。エネルギー密度の高い選択肢は長時間の使用に魅力的ですが、1分以内の急速なエネルギー供給が必要な場合に最も重要なのは電力密度です。

従来のエネルギー密度の高い製品とは異なり、フライホイール式UPSは、サステナビリティ、製品寿命、安全性、設置面積、総所有コストにおいて優れた利点を備えています。

フライホイールはその優れた信頼性で高い評価を得ており、従来のバッテリーと比較して故障しやすい部品が少なく、シンプルな設計となっています。この信頼性により、フライホイールは停電時にも重要な機器に電力を供給し続けることができます。

さらに、メンテナンスが最小限で済むため、長期的な運用コストの削減にもつながります。フライホイールは予測可能で安定した性能を発揮するため、その優位性はさらに高まります。フライホイールはバッテリーよりも長寿命であるため、長期間に渡って使用することができます。

さらに、フライホイールは環境にやさしく、有害な化学物質や廃棄の心配がなく、高効率でエネルギー消費を削減します。以上のことから、フライホイール技術はUPSシステムにとって信頼できるサステナブルな選択肢であり、様々な分野の重要な電力ニーズに効果的に対応することができます。

特長

  • グリーン調達:有害物質を有しておらず環境にやさしい
  • 火災リスク:爆発物を使用しておらず低リスク
  • 低イニシャルコスト:シンプルな構成で低コスト
  • UPS用空調不要:0-40℃の環境温度で稼働⇒従来のバッテリータイプと比較して電気代を大幅削減
  • 省スペース:バッテリータイプの1/2-1/3の設置スペース
  • 長寿命:年に一度の点検と数年ごとの軸受交換で20年以上の使用実績
  • 無瞬断切替:商用電源とUPS電源を無瞬断で切替
  • 連続瞬低/停電対応:約3分間で定格回転数まで復帰することで対応可能
  • 高レスポンス:短時間で大容量の出入力が可能
  • 納入実績:世界中での豊富な納入実績台数

コスト比較


フライホイール型UPSはバッテリー交換、UPS用空調不要でランニングコストを大幅に削減できます。

CO2排出量比較


フライホイール式UPSはバッテリー式に比べて毎年40%(70t)以上のCO2排出量削減に貢献します。
さらに空調レスで運用した場合にはバッテリー冷却に係るCO2排出量を年間最大47t削減可能です。

導入事例

サントリー天然水 奥大山ブナの森工場様ご紹介

お話を伺った方:エンジニアリング部門 山本茂雄様


標高1,709m。大山隠岐(だいせんおき)国立公園の中央にそびえる中国地方の最高峰・大山。
その南壁から岡山県との県境に至る烏ヶ山(からすがせん)を抱く地域は、日本海側から見ると、まさしく奥の奥。
ここは美しい自然環境と、降雪量の多さに支えられた豊富な水量を誇る理想の水のふるさとです。

天然水奥大山ブナの森工場では、自然の恵みをそのままに、安全な天然水をお届けするため、無菌充填でのボトリングなど、徹底した品質管理を行っています。
注:サントリー天然水 奥大山ブナの森工場様ホームページを引用させて頂いております。

Q.フライホイール式UPSをどの様にご使用頂いていますか?

ご使用機器:Active Power社製CLEANSOURCE HD UPS×2Line

汲み上げた天然水は高度な無菌状態を保つことが出来る「クリーン・チャンバー」内でボトリングされますが、
フライホイール式UPSは停電、瞬時電圧低下や電圧変動の影響から「クリーン・チャンバー」を保護するために使用しております。

Q.導入されたきっかけは?

弊社は2008年3月稼働当初から無停電電源装置(UPS)を導入し、2016年12月に鉛式蓄電池からフライホイール式へ更新致しました。
翌年、新ライン増設に合わせて更に1台追加致しました。鉛式蓄電池は経年変化でバッテリー内部抵抗値が上昇する為、寿命が近づいていました。
その時、フライホイールUPSの存在を知って、メリット比較を行った結果、フライホイールUPSが優位と判断し刷新致しました。

Q.導入メリットは?

1.バイパス、オンライン切り換え操作がシンプル(数秒で完了)
2.装置小型化によるスペースの有効活用
3.空調機温度設定23℃→28℃に改善し、空調費の大幅削減
4.完全放電からフル充電まで短時間での復旧

ケーススタディ

▶ 自動車製造ライン
    溶接ロボット、プレス機

▶ カジノ
    顧客・金融データの管理、照明・空調設備、セキュリティシステム、非常用発電機との連係

▶ 医療施設
    医療機器、MRI・CT、患者データの管理

▶ 国際空港
    通信ネットワーク、セキュリティシステム、物流管理、非常用発電機との連係

▶ マイクログリッド
    マイクログリッドの保護と電力調整

製品紹介

Piller 低圧・高圧UPS

UNIBLOCK™UB-V

  • 1,000kW – 3,240kW 400V/6,600V @ 50Hz
  • 1,200kW – 3,240kW 480V/600V/6,600V @ 60Hz
  • 最大98%の効率
  • 定期メンテナンス時にシャットダウン不要
  • 20%の床面積の削減
  • 自己診断機能を持つ高度な制御システム

Piller製フライホイール型UPSの技術的アドバンテージ

POWERBRIDGE™


PILLER製フライホイール型エナジーストレージであるPOWERBRIDGE™は、
全世界で6,000台を超える市場での実績を有しております。
日本国内においても20年以上の稼働実績を誇ります。
また、UPS用フライホイールとして世界最大級のPB60は単機でも最大3,200kWの出力を発揮します。
PBとMGは電気的に接続され、増減速機を用いた機械同軸接続とは異なりトラブル発生要因が著しく低いことが特徴です。

Motor Generator


Motor Generator(MG)とは鉄道の周波数変換や、ハイブリッド自動車の回生エネルギー回収、
パワーアシストなど多用途に活用される技術です。
インバーターと比較して構造がシンプル且つ繊細な半導体や液漏れ発火リスクのあるコンデンサなどを使用しておらず、
定期的なメンテナンスを実施することで40年以上使用できる装置です。
このUPSに使用されているMGは電動機と発電機を同軸で直結したPillerオリジナルのシステムです。

Active Power 低圧UPS

CLEANSOURCE® PLUS SMS UPS


シングルモジュールシステム(Single Module System)

  • 300kW 380/400/415/440V @ 50/60Hz
  • 333kW 480V @ 60Hz
  • 最大98%の効率
  • バッテリー式の1/2のスペース
  • 0-40℃までの広い稼動温度
  • 20年以上の製品寿命でバッテリー交換不要

CLEANSOURCE® PLUS MMS UPS


マルチモジュールシステム(Multi Module System)

  • 300kW – 2400kW 380/400/415/440V @ 50/60Hz(300kW×台数)
  • 333kW – 2667kW 480V @ 60Hz(330kW×台数)
  • 最大98%の効率
  • バッテリー式の1/2のスペース
  • 0-40℃までの広い稼動温度
  • 20年以上の製品寿命でバッテリー交換不要

CLEANSOURCE® HD UPS


高密度UPS(High Density)

  • 625kW 380/400/415/440V @ 50Hz
  • 675kW 480V @ 60Hz
  • 最大98%の効率
  • バッテリー式の1/2のスペース
  • モジュール式で最大5400kWまで対応可能(最大8台の並列化)
  • 0-40℃までの広い稼動温度
  • 20年以上の製品寿命でバッテリー交換不要

POWERHOUSE(コンテナ型CLEANSOURCE® PLUS MMS)


  • -25℃から50℃までの環境温度で稼働可能
  • 風速83m/s、積雪荷重1,161kg/m²までの耐久性
  • 工場で組み立て、試験済み
  • 低コストで運搬可能

Active Powerのフライホイールテクノロジー


フライホイールシステムは、低摩擦環境下でコンパクトなローターを常に回転させることで、運動エネルギーを蓄えます。
蓄積されるエネルギーは最大10.5MJです。
停電時に短期的なバックアップ電力が必要な場合には、慣性によってローターが回転し続け、運動エネルギーが電気に変換されます。

IEEE規格で定められた、「停電」、「電圧低下」、「サージ」、「商用電源ノイズ」、「周波数変動」、「過電圧」、
「スイッチングノイズ」、「瞬低」、「高周波歪み」の電源障害を常時補正して修正正弦波として供給し、
停電時には無瞬断で電源を供給することが可能なシステムです。

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